大阪府訪問看護シンポジウムの質問回答(ご参加いただいた方へ)

このたびは、シンポジウムにご参加いただき、ありがとうございました。

ご質問への回答は以下の通りですので、ご確認ください。

 

Q1

 九州南部の避難所で土足禁止を徹底されたというお話がありましたが、海外で土足で家に入る習慣の国の避難所でもやり土足は禁止なのでしょうか?

A1

回答者:梶野健太郎氏

 以前熊本地震の時に避難所を回った時には、土足の避難所もあったので被害の状況等により土足厳禁が望ましいが、不可というところもあったかと思います。

 ただ海外など、もともと靴を脱ぐ習慣がないところは土足厳禁になっていない可能性が高いと思います。

Q2

梶野先生 ご回答ありがとうございます。

 たしか病院でもICUへ入室するのにあえて履き替え不要になった流れとか、学校で上履きに履き替えるのは衛生上の理由というより出入り口を1つにまとめるためと先日テレビで取り上げていたなど、必ずしも土足そのものに病原体を媒介する意味は薄いのかと思っていました。

 それでもコロナウイルスの感染防御の徹底のためには土足の制限をするべきということですね。

A2

回答者:梶野健太郎氏

Q1の回答後の質問。

 確かに15年前ぐらいはICUや手術室などは土足厳禁でしたが、直接接触する部分を消毒する方が土足厳禁にするより感染対策には有効であるというエビデンスが出ており、土足厳禁にしてどれだけコロナが防げるかは分かりません。

 ただ、お書きになったように出入り口を一つにしたり、土足厳禁にすることにより、避難者以外の避難所への侵入を制限でき、結果的にコロナに対しても有効だと思います。

 他にも、土足厳禁とすると土壌菌(破傷風菌)やトイレ等からノロウイルスの感染リスクも減らせると思います。

 清掃も簡素化できるというメリットもあるのではないでしょうか。

Q3

大阪府保健医療室医療対策課、加藤様

 災害時の情報の重要性に関しましてのご教示いただき、ありがとうございます。なかなか詳細な

内容でした。

よろしければ、本日の講演資料の作成に当たっての参考資料を教えてえていただけますでしょうか。大阪府の医療計画などは、大阪府のホームページから確認できますでしょうか。根拠資料が知りたくお尋ねいたします。

A3

回答者:加藤貴志氏

 本府資料の作成の引用元は、以下のとおりです。

○ 第7次大阪府医療計画(2018年度から2023年度。大阪府ホームーページ)

 ・災害医療に関する箇所

  http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/2502/00281086/0607.pdf

 ・計画全体

  http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/keikaku/7osakahuiryokeikaku.html

○ DMATについて(同上)

  http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/saigaiiryo/saigaiiryo_dmat.html

○ Yahoo! JAPAN「防災情報」アプリについて(ヤフー株式会社ホームーページ)

  https://emg.yahoo.co.jp/

○ 防災アプリ「全国避難所ガイド」について(ファーストメディア株式会社ホームーページ)

  http://www.hinanjyo.jp/

○ おおさか防災情報メールについて(おおさか防災ネット)

  http://www.osaka-bousai.net/pref/PreventInfoMail.html

Q4

 当院が被災した際にはDMATのご支援を頂くことになると考えますが、DMATの方との連携を速やかに行える組織に共通する特徴として、どのようなものがありますでしょうか。

「この病院(この組織)とは一緒に活動しやすいな」と感じた例でも教えて頂ければ幸いです。

A4

回答者:梶野健太郎氏・加藤貴志氏

(梶野氏)

 DMATとしての経験から言わせて頂くと、

①受援目的がはっきりしている(人が足りない?物がたりない?他の問題?)

②受援の際に必要な情報を提供できる(被災状況、患者数や患者重症度、ライフラインの状況など)

③受援内容について理解し決定できる方がいる

というのが自分の考える一緒に活動しやすい組織となります。

そういう意味ではシンポジウムでお話させていただいた、DMATの活動優先順位や体制など事前に

知っておいていただくだけでもありがたいです。

 また活動前提として、DMATや救護班などの外部の支援は、出来るだけ地元地域で実施しようと

している医療体制(支援体制)を崩さないように活動する必要があります。

 時折、地元自治体・医師会等からの支援があるのにもかかわらず、DMATに支援を依頼されてくるケースがあるのですが、その場合、活動に苦慮します。

 ②については、①の目的を明確にするためにも必要で、それを基に支援内容を本部で考えます。

 ③についても非常に重要で、受援を希望した組織幹部と現場で受援に対する温度差があり、現場で調整が必要な場合もありました。

 いずれにいたしましても、ご質問いただいた災害時の受援については、DMATとしても重要な案件と考えており、希望される医療機関等に対しては職員様対象に机上演習(シミュレーション)なども実施しておりますので、小職までご連絡ください。

(加藤氏)

 被災地に派遣されたDMAT隊員は、現地にて被害情報等を把握し、いち早く支援に必要な活動を

行います。

 まず、発災直後においては、貴院から被害情報などの発信を行っていただく必要があります。

そのためにも、貴院の被害情報などの詳細の状況把握を行っていただき、その内容を大阪府救急

災害医療情報システムを通じて報告いただくことが必要です。

 なお、停電等により大阪府救急・災害医療情報システムが使用できない場合は、貴院を管轄する

保健所又は大阪府医療対策課へ御報告ください。

 また、貴院に派遣されたDMAT隊員等への報告や隊員等の支援が円滑に実行できるよう、担当窓口を決めておくなどの体制を整えておくことが望ましいと考えております。

Q5

発電機蓄電池の設置という話がありましたが、訪問などに使う車両でEVやPHVを使う等の助成などは行政としてお考えではないのでしょうか?

A5

回答者:加藤貴志氏

 現時点では、大阪府では補助事業を実施しておりませんが、経済産業省や環境省等が、EVやPHV等に関して補助事業を実施しております。

また、令和2年度第3次補正予算案において、経済産業省と環境省が、電気自動車や燃料電池自動車等の普及拡大を「充放電設備/外部給電器」、「再エネ100%電力」の導入とセットで支援していく補助金制度を創設しました。

EVやPHV等には、国土交通省がエコカー減税等の自動車に関する税の優遇制度も実施しております。

本府ホームページでEVやPHV等の補助金情報を掲載しておりますので、以下のリンク先の「エコカー等導入補助金情報」に列挙される対象車に合致するかを確認いただき、御不明な点等がありましたら「お問合せ先」へ御連絡ください。

○ 補助金・優遇税制情報(大阪府ホームページ)

  http://www.pref.osaka.lg.jp/kotsukankyo/haigasu/hojokin.html

 

○ 災害時にも活用可能なクリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(経済産業省ホームページ)

  https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201222006/20201222006.html

 

○ 再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワークスタイル先行導入モデル事業(環境省ホームページ)

  http://www.env.go.jp/air/post_56.html

Q6

私たち訪問看護では寝たきりの方も多いため出来るだけ自宅避難を推奨しています。

今のお話でも出ておりました避難所にいないと証明されず食事など物資が受け取れない問題はどのように解決される予定があるのかお伺いしたいです。

A6

回答者:中村直晶氏

避難所の開設・運営は、原則的に市町村、施設管理者、避難者の三者が協力して行うとされてい

ます。

ですので、市町村ごと、避難施設ごとに対応が異なる場合が考えられます。自宅避難されている方の、市町村及び施設管理者に問い合わせて頂き、自宅避難者への食事の対応、情報提供の方法など

問い合わせて頂くことが必要だと思います。

 避難所に避難する人以外に、避難できない人、自宅で避難している人も存在することを考えてもらえるきっかけになると思います。

 シンポジウムの席でも発言させて頂きましたが、地域でお互いが守り合えるコミュニティー作りが必要だと思います。

Q7

実際に、被災を経験された訪問看護師の方にお聞きします。

情報提供や共有は行政発信でしたでしょうか。利用者さんの安否確認の方法などの連携が必要だけど実際はどう動けばよいか悩んでいます。

A7

回答者:村田一美氏

 2018年大阪北部地震の折、安否確認などの情報は各事業所で行っていました。

そのため、一人の利用者様のところに何か所もの事業所が安否確認に訪問。混乱させてしまいました。

道路情報やライフラインの状況は事業所ごとにLINEを駆使して情報集めていました。

また同じ地域の訪問看護ST同士LINEで連絡を取り合い情報共有しました。

包括や居宅が後から聞いてきたり、その後から行政から情報収集されてます。

顔の見える関係作りの中で、サービス担当者会議などで利用者様毎の災害対策を話し合い、『この方の安否確認は○○事業所』と決めておくのが良いのではないかと話し合いました。

在宅療養の要介護の方は、基本避難しないであろうことを、行政に理解していただくのが先決でしょうね。

 

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